hirokuroの リーマン仮説(リーマン予想)証明





qj(s) = k(1-s) - k(s) による証明

ver70.2    new 2019/04/01     revised 19/04/09


失敗ばかりしているので、まずは根幹部分を説明して、それが正しいと認定されたなら、全体の証明に移る予定です。

友人に勧められて証明作業を続行することになったのですが、驚いたことにやり始めてすぐに新しいアイデアが浮かびました。証明の材料はどこにでもあるのですね。ところがいつもと同じで、しばらく考えていると間違いであることに気がつきます。普通ならば、そこでアイデアが枯渇するはずですが、失敗の先にさらに別のアイデアがあることに気がつきます。そこで、そのアイデアをトライして見ると、うまくいきそうな材料が見つかります。そこで、喜んでさらに調べると、やはり駄目であるという結論になります。こういうことを何度繰り返したでしょうか。公表しなかったものも含めて、おそらく、200回以上になると思います。まだ懲りずにやっているのが現状です。

以前の証明はうまくいかなので、零線図の連続性を作って、その連続性の中で矛盾を見つけるという作戦でしばらくやっていましたが、この連続性の中にも矛盾に見えるものはいくらでもあります。ところが、証明して見ると、少しもうまくいきません。それでも諦めずに頑張っていたのですが、その途中で、なんと・・・以前の証明の延長のようなところに矛盾を見つけました。以前のような単純なやり方では矛盾は見つからないと思っているので、この矛盾の発見はあまり嬉しくありませんでした。最初は、「おそらく勘違い」という気持ちでした。しかし、しばらく調べても矛盾であることに変わりありませんでした。こうなると公表せざるを得ません。公表した後で、「やはり違ってました。」ということになると、大恥をかくことになるので、あまり乗り気ではないのですが、公表しないことには前進しないので、恥を覚悟で公表することにします。





■      qj(s) = k(1-s) - k(s)


今回 qj(s) と名づけた関数は、すでに以前、分析したことのある古い関数です。そのときは、矛盾はないと判断して名前もつけずに終わっていましたが、今回、ある別の証明の過程で、k(1-s) - k(s) を調べることになり、やってみると、矛盾が見つかりました。このレベルの矛盾を今まで見つけられなかったのが腹立たしいので、気持ちは複雑ですが、どう見ても矛盾です。矛盾があるとはリーマン仮説が成り立たないということなので証明が完成することになります。

時間のある方は、お付き合いいただいて、この証明で良いかどうか、一緒に検討していただければ幸いです。間違いを見つけた方は hirokuro までご連絡いただけると幸いです。


qj(s) は kv(s) = k(1-s)/k(s) とよく似た形になっています。kv(s)は重要関数で、今まで何度も取り上げてきましたが、割り算を止めて、引き算にしたのが qj(s) です。a=0.5 を軸として零線図が左右対称であることは kv(s) と同じですが、引き算ですから、仮定上のリーマン零点が残ります。その残った形から矛盾を見つけることが目標になります。


qj(s)の全体像は単純な形なので、説明するまでもないことがたくさんあります。

まずは、a=0.5 上では、実部はすべて 0 です。虚部の零点はkv(s)の虚部零点と一致します。ですから、a=0.5上のリーマン零点は消えています。

そして、零線図については、全体的には kv(s) とよく似ていますが、すこしずれていてるようで、数値は異なっています。

そして、先にも言いましたように、a=0.5を軸として左右対称です。これは零線図において対称ということです。また、kv(s)の場合と異なり、数値上の対称性もあります。虚部については、数値まで対称となっています。つまり、sの虚部が3なら、1-sの虚部も3になるということです。実部はマイナスを介して一致します。つまり、もし s の実部が 1 なら、1-s は -1 になるということです。

qj_a0 の図
参考までに a=0 の図を載せておきます。














qj_a1 の図
a=1 のときは右図になります。














■      微分係数の一致


もうひとつ qj(s)の重要な特徴は微分係数が一致することです。これは k(s) や kv(s) と同じです。普通の複素関数はすべて微分係数が一致します。しかし、hirokuro証明で使った関数の中には微分係数の一致がないものがいくつもありました。一致は普通のことですが、今回の証明では非常に重要な働きをします。

「微分係数の一致」とは、「a方向での実部微分とb方向の虚部微分が一致し、a方向の虚部微分とb方向の実部微分がマイナスを介して一致する」ということです。長い説明なので、短くして「微分係数の一致」と名づけました。何と何の一致か表現されてないのでご注意ください。

計算での実例を挙げると判りやすいでしょう。s=3+5*i での a 方向での微分実部は 3.2902447E-1 となります。b方向の微分虚部は 3.2902447E-1 です。まったく同じであることが判ります。a方向の微分虚部は 3.8373126E-1 ですが、b方向の微分実部は -3.8373126E-2 ですから、マイナスを介して一致しています。どの点で計算しても一致は崩れません。

kr_bibun_b12 の図
右図はb=14付近のk(s)零線図です。緑線がaについての実部微分零線です。青線の底の部分を通過しているのがわかります。橙線がaについての虚部微分零線です。青線の右先端部分を通過しているのがわかります。bについての微分はaと重なるので載せませんが、先に言いましたように、bの微分虚部がaの実部微分線と一致し、微分実部がaの虚部微分線と一致します。マイナスを介することは零線では関係してきません。、

微分係数が一致するということは、k(s) で使ったやり方が通用するということです。つまり、無限点(特異点)を含まない零線は輪になることは出来ず、輪になったとすると、それを矛盾と認定できるということです。

なぜ輪になることができないかと言うことについては、すでにver20 で証明済みですが、今回の証明の核になる部分なので、再度証明しておきます。



■      輪にならないことの証明

実零線、虚零線が単独で輪になる場合の証明を先のver70.1 に載せましたが、一部不充分なところがあるのと、リーマン証明そのものに直接関係してこないので、割愛することにしました。いずれ別の場所でこの証明を公表することにします。 19/04/09


実零線と虚零線が2回交差する場合も閉鎖空間を作ります。この場合は、実零線の上下の頂点を通過した微分線は、微分係数の一致により、虚零線の左右の頂点を通過しなくてはなりません。ところが虚零線には左右の頂点は存在しないか、存在したとして偶数個なので、微分線が外に出れなくなります。これは矛盾なので、こういう現象は起こりません。上下の頂点がないときは、左右の頂点を通る微分線を使うと同じ証明ができます。また、上下も、左右もないときは、その輪を通る任意の角度微分線を使います。どの角度の微分線も 虚零線の +pi/2 の傾きの場所を通らなければなりませんが、それが存在しないか、偶数個あるので、結局、輪から出られなくなります。

もちろん、これは微分係数一致関数についてだけで、一致がない関数では問題なく輪になります。

無限点(特異点)を持つ輪については、このかぎりではありません。無限点(特異点)は零点同様、実零線と虚零線があつまる場所で、あらゆる角度線、微分線が集まっています。ですから、輪の中に入った微分零線は無限点を通って外に出ることができるので、矛盾にはなりません。




■      仮定上の零点のある零線図


さて、仮定上の零点がある場合、どういう零線図になるかはすでに検討してあります。輪になるような零線図はすべて矛盾ですから、排除し、a=0.5上の角度減少に矛盾する零線図も排除しました。残ったいくつかの零線図に矛盾が見つけられなかったので、ずいぶん苦労しましたが、今回のqj(s)に当てはめた場合、どうなるでしょうか。

そこで、qj(s)における零線図の描き方の法則を確認しておきます。

qj(s)は k(1-s) - k(s) なので、ふたつの零線図をもとに、qj(s)の零線図を描きます。零線によって区分される領域のプラス・マイナスがqj(s)の零線を決めるので、符号計算が重要になります。

まずは実際のやり方を解説します。


qjir1_2_2c の図
右図のような零線図があるとき、a=0.5を軸に左右反転させて重ねます。

k(s)の実部横U字形の内部がマイナスであることはすでに述べていますが、プラス・マイナスは順次決まってくるので、仮定上の零点がある場所も例外ではありません。注意すべきは、入れ子構造の横U字形の場合ですが、それは別途検討するので、ここでは右図のような形の零線図を前提にします。

実部横U字形の内部を走る虚零線の下側がマイナス、上側がプラスであることもすでに述べています。これも計算可能な領域で確認でき、仮定上の零点のある場所でも変化しません。

k(1-s)は、実部横U字形の内部がマイナスであることは同じですが、そこを通る虚零線の下側がプラスになります。上側がマイナスです。

これで、仮定上の零点がある零線図においても、qj(s)の零線を引くことが可能になります。


qjir1_2_2d の図
Aの領域では、k(s)は実部マイナス、虚部プラスになっています。これを (-,+) と表記します。k(1-s) の符号は (-,-) です。引き算すると (-,-)-(-,+) ですから、実部については、マイナスからマイナスを引くことになります。答えはプラスになることもあり、マイナスになることもあります。ですから、どちらもありえるということで ? と表記します。虚部については、マイナスからプラスを引くので、答えは必ずマイナスになります。つまり、この引き算の結果は (?,-) となります。これは実部については、プラスにもマイナスにもなりえますが、虚部についてはないマイナスの値しか取れない領域であることを示しています。つまり、qj(s)の実零線は通ることが可能ですが、虚零線は通れないということです。これを緑色の小さな輪で示すことにします。

B領域では、k(s)は (-,+)であり、k(1-s) は (-,+) となっています。ですから、引き算すると、(-,+)-(-,+) で、答えは、実部、虚部ともプラスにもマイナスにもなりうるので、(?,?) が答えとなります。これを灰色丸で印を付けます。

C領域は、k(s) は (+,+) で、k(1-s) は (-,+) ですから、 (+,+)-(-,+)=(+,?) となります。つまり、虚零線は通れますが、実零線は通れないということです。虚零線が通れるということで橙色の印を付けます。

D領域は、k(s) は (+,+) で、k(1-s) は (+,+) ですから、 (+,+)-(+,+)=(?,?) となります。灰色の印を付けます。

答えが (+,+) のようになる領域がありますが、そこは実零線も虚零線も通れないことを意味しています。そこには黒丸の印を付けます。


緑領域から見て、青線の先は黒丸領域になります。赤線の先は灰色丸領域です。

橙領域から見て、青線の先は灰色丸領域です。赤線の先は黒丸領域です。

黒領域から見て、青線の先は緑丸領域で、赤線の先は橙丸領域です。

灰色領域から見て、青線の先は橙丸領域で、赤線の先は緑丸領域です。

a=0.5の反対側は、対称ですから、同じ図になります。

これを使うと計算せずに領域を決めることができます。a=0.5上の領域はすべて緑丸領域になります。



qjir1_2_2e の図
もうひとつ重要なことは、実零線・虚零線が交点を通らなければならないことです。

k(s)の実零線とk(1-s)の実零線の交点は (0,-)-(0,+) のような計算になります。答えは実部0ですから、この点をqj(s)の実零線が必ず通ることになります。虚零線の交点は (+,0)-(+,0) のような計算ですから、答えは虚部0で、この点をqj(s)の虚零線が必ず通ります。実零線と虚零線の交点は (0,+)-(+,0) のような計算となり、答えは (+,+)ですから、qj(s)の実零線も、虚零線も通ることは出来ません。

そこで、実零線の交点に緑点、虚零線の交点に橙点を打ちます。

なお、qj(s)の実零線はk(s), k(1-s) の実零線を越えることは出来ません。しかし、虚零線は越えられます。また、虚零線は、k(s), k(1-s) の虚零線を越えられません。しかし、実零線は越えられます。その理由は、実零線とは実部0の線なので、(+,+) などをひくと、実部は0にならないからです。また、虚零線なら (+,0) のような値なので、それから (+,+) のようなものを引くと実部が0になることはありえるからです。虚零線も同じ理由です。

以上の条件を使うと、qj(s)の零線を引くことができます





■      緑線と橙線が閉鎖空間を作っているので矛盾を認定できる。


このやり方で緑線と橙線を引いた結果はすでに示してある図になります。
qjir1_2_2f の図
青線、赤線、その他の印記号を取り除いて、緑線と橙線だけを取り出すと右図になります。

ふたつのリーマン零点を緑線と橙線が通過しています。この線の間は閉じているので、閉鎖空間となっています。つまり、輪になっているということです。これは矛盾です。こういう矛盾がおきるということは、前提にした仮定上の零点図が存在しえないことを意味しています。よって、仮定上の零点は存在することはできません。


以上の証明は、与えられた零線図について成り立っています。しかし、まだ別のパターンの零線図もあるので、そちらの零線図でも矛盾が発生することを示さなければなりません。しかし、今までの経験では、この段階で証明失敗となることばかりでした。そこで、ひとまずこれを公表して、この証明の論理が正しいかどうかをさらに厳密に検討したいと思います。このやり方で良いということになるなら、これを使って、他の零線図でも証明が可能であることを示したいと思います。








ver70の証明はやはり間違っていました。零線図の描き方を変更したところ、閉鎖空間のない図を描くことができました。それで、矛盾は解消です。

qjir1_2_2g の図
矛盾の生じない零線を引くことができました。交点をそれぞれの零線が通過しなければなりませんが、どの交点と繋げるかはいくつかの可能性がありました。その中から矛盾の生じないものを選ばなければなりません。

右図は、その作業の結果です。左半分だけ作図してありますが、緑線は零点を通過した後、左に抜けるので閉鎖空間を作りません。橙線も同じく、橙丸区域と灰色区域を通過して左に抜けることができます。閉鎖空間はできません。

ゆえに矛盾はないことになり、この証明もまた失敗となりました。









表紙に戻る



ご感想、ご質問、ご意見などは、Mailのアドレス(hirokuro303@gmail.com)へお願いします。


メール アイコン



   


inserted by FC2 system