リーマン仮説(リーマン予想)の証明   ver29





第11部 (まとめ)    事例分析




■11の1■      事例(1,1,1)以降を分析


(1,*、*)の場合、虚零線分類番号8,9,11,12,13,14,15,17については、作図の段階でCタイプ(虚零線の交差)の矛盾があることが明らかなので、以下の分析からは除いておきます。これらの事例の矛盾は、誰でも容易に確認できることでしょう。



jir1_1_1 の図
事例(1,1,1)は、実零線・第1横U字形の下側と第2横U字形の下側にリーマン零点があります。右図の中に a=0.5 の縦線がありますが、この線上を動く極座標を描きます。すると、この中に、(+,-)領域から(+,+)領域に変化する箇所が見つかります。







kyoku76 の図
p1 から p2 までの角度は減少です。ところが、p2から先は増加に転じます。つまり、角度が増加しています。ところが、a=0.5上の角度は必ず減少することが証明されているので、角度増加は矛盾と認定できます。(D矛盾)ゆえに、この事例は起こり得ないことが証明されました。










jir1_1_2 の図
事例(1,1,2)はJ2タイプの矛盾です。ふたつのリーマン零点がある横線をb1とし、その線上の極座標図を描いてみます。リーマン零点とは (0,0) を通過することなので、ふたつのリーマン零点とは、(0,0) を2回通過することを意味します。すると、そこに輪が発生します。その輪の中に角度pi/2軸との交点があります。それがp1点です。



kyoku1_1_2 の図
このp1点が極座標の回転と共にどのように動くかを見てみます。

k(s)に角度を加えると極座標図は左に回転します。すると、xy座標のp1は右にずれます。そのまま続けて45度以上回転させると、どこかでp1がa=0.5軸を超えることになります。






jir1_1_2b の図
そのときの実虚零線図は右図のようになっています。この時、a=0.5上の縦の極座標は(+,+)から(-,+)へ移行することになります。しかし、(-,+)への移行は角度増加を意味します。a=0.5の角度は常に減少であることはすでに証明されています。ですから、角度増加が起きることは矛盾と認定できます。

よって、このような矛盾の起きる実虚零線図はあり得ないことになり、このような矛盾を起こす事例(1,1,2)は起こり得ないことが証明されました。






jir1_1_3 の図
(1,1,3)は、ふたつのリーマン零点の間を実零線と虚零線が通っています。実零線との交点をp1,虚零線との交点をp2とします。極座標図を左に回転させるとp1,p2とも右のリーマン零点に近づきます。そして、必ずa=0.5軸を超えることになります。

p2が超えるときは (+,-)領域から(+,+)領域へと移動するところが現われ、角度増加が起こります。p1が超えるときは (+,+)から(-,+)への移動となります。これも角度増加です。このような角度増加が起きることは矛盾と認定できます。

よって、事例(1,1,3)のような作図はあり得ないことが証明できました。






jir1_1_4 の図
(1,1,4)は、零線図の中に最初から角度増加の場所があります。a=0.5上の角度は(+,-)から(+,+)に移るとは角度増加を意味しています。ですから、Dタイプの矛盾となります。

(1,1,5)、(1,1,18)も同じです。










jir1_1_6 の図
事例(1,1,6)は、第1横U字形の下、第2横U字形の下にリーマン零点があり、虚零線は第1と第2、第3と第4が繋がっている場合です。このとき、実零線とb1との交点をp1と名付けます。(1,1,2)と同じように、極座標を左回転させ、p1を右にずらしてa=0.5を超えるところまで持っていきます。すると、ここに角度増加(D矛盾)が起こります。これは矛盾なので、(1,1,6)のような作図は起こり得ません。

(1,1,7)も同じです。



jir1_1_10 の図
事例(1,1,10)は、(+,-)から(+,+)へ移行する場所があるので矛盾です。

別の作図をすると、この矛盾を避けることはできますが、リーマン零点の間に虚零線が通っているので、b1極座標図を回転させると、(+,-)から(+,+)への移行部分が現われ、結局、角度増加が起こります。ゆえに、この図そのものが矛盾を持つと認定できます。

(1,1,16)も同じです。






■11の2■      事例(1,2,*)の分析


jirei1_2_1 の図
(1,2,1)は、実零線第1横U字形の下側、第2横U字形の中央にリーマン零点があり、虚零線はすべて横一本線の場合です。この場合、最初から a=0.5の線上に (+,-) から (+,+) に移動する場所があるので、角度増加が起きています。Dタイプの矛盾です。











jirei1_2_2 の図
(1,2,2)はJ2タイプ矛盾です。b1極座標を回転させると、実零線上のp1点がa=0.5の右に来るので、そこで角度増加が起こります。(1,2,3)、(1,2,4)、(1,2,6)、(1,2,7)も同じです。









jir1_2_10b の図
事例(1,2,10)は、第1、第4虚零線が繋がり、第2,第3虚零線が繋がっている場合です。このとき、第1虚零線とb1線の交点をp1とします。b1極座標を左回転させるとp1はp2に移動します。さらに傾けると左リーマン零点と合体します。ここはすでに第2・第3虚零線が通っています。虚零線同士は交差することは出来ず、接触する形をとります。しかし、実零線と直交するので、第1・第4虚零線は実零線横U字形の内部に入ることになり、そこから出ることが出来なくなります。これは矛盾と認定できます。

このような矛盾を起こす(1,2,10)の作図は実際に起きることはありません。










jir1_2_16 の図
(1,2,16)は、b1極座標図を左回転させてp1を右リーマン零点に近づけると、必ず a=0.5 軸を通過するので、そこで角度増加が起きます。これは矛盾なので、このような作図は起こり得ないことが証明できます。

(1,2,18)も同じです。





■11の3■      事例(1,3,*)の分析


jirei1_3_1 の図
(1,3,1)、(1,3,5)、(1,3,18)はDタイプの矛盾です。a=0.5の線上で角度増加が起きています。











jir1_3_2 の図
(1,3,2)は実零線第1横U字形の下側、第2横U字形の上側にリーマン零点があり、虚零線第1と第2が繋がっている形です。この場合、第1横U字形の実零線と、リーマン零点を結ぶb1線との交点をp1とします。

極座標図を左回転させると、p1点は右リーマン零点の方向に移動します。やがて、a=0.5線を越えることになりますが、このとき、(+,+)から(-,+)への角度増加が起こります。

a=0.5線を越えないような作図は出来ないので、角度増加は必ず起きますが、これは矛盾なので、このような矛盾の起きる(1,3,2)の形そのものが起こり得ないことを示しています。



(1,3,3)、(1,3,6)、(1,3,7)、(1,3,16)も同じJタイプ矛盾です。。



jir1_3_4 の図
(1,3,4)は、a=0.5 において、(+,-)から(+,+)への移動があり、角度増加の矛盾となります。

(1,3,5)、(1,3,18)も同じです。








jir1_3_10 の図
(1,3,10)は、b1線と第2・第3虚零線の交点をp1とし、b1極座標を回転させると、p1は右リーマン零点方向へ移動します。このとき、必ずa=0.5 を超えるので、ここで、(+,-)から(+,+)への移動が発生し、角度増加の矛盾となります。











■11の4■      事例(1,4,*)の分析




(1,4,1)はDタイプ矛盾で、a=0.5線上に角度増加が見られます。(1,4,4)、(1,4,5)、(1,4,18)も同じです。

jir1_4_2 の図
事例(1,4,2)は第1横U字形の中央と、第2横U字形の下側にリーマン零点があり、第1,第2虚零線が繋がっている場合です。このときのb1極座標を回転させても、虚零線については角度増加を示すことが出来ません。そこで、実零線を使って矛盾をあぶり出します。







kyoku1_4_2 の図
b1極座標を90度以上左に回転させます。右図は作図の都合で、角度軸を右回転させています。つまり、水色軸が新しい角度軸となっています。この水色軸との交点が回転させた実零線・虚零線の通り道になります。

a=∞ を出た極座標線は赤点p3を通り、右リーマン零点を通過し、青点p2を通り、左リーマン零点を通過し、赤点p4を通り、その後は普通に渦を巻きます。この時の実虚零線図を載せておきます。最初は(−、+)で、p3を通過すると(ー、−)となり、右リーマン零点以後は(+、+)、p2を通過すると(ー、+)、左リーマン零点からp4までが(+、−)、その後は(+、+)となります。そのようになる実虚零線図を作図すると、実零線が a=0.5 の線近くを通ります。回転角度を調節すると、必ずa=0.5を超える図を作ることが出来ます。このときの a=0.5 の極座標は (+,+) から (-,+)、そして(+,+)へと移行する場所が発生し、ここで角度増加が起こります。これは矛盾と認定できます。

このような矛盾を起こす(1,4,2)の事例は起こり得ないことが証明できました。







jir1_4_3 の図
事例(1,4,3)は、第2,第3虚零線が繋がっているので、b1極座標を回転させると、虚零線とb1との交点がa=0.5を超える場合が発生し、角度増加が起こります。これは矛盾と認定できます。





(1,4,6)、(1,4,7)は(1,4,2)と同じ矛盾。

(1,4,10)、(1,4,16)は(1,4,3)と同じ矛盾。

(1,4,18)はD矛盾。a=0.5上に角度増加が起きています。





■11の5■      事例(1,5,*)の分析




(1,5,1)、(1,5,4)、(1,5,5)、(1,5,18)はDタイプ。

jirei1_5_2 の図
(1,5,2)は、リーマン零点の間を虚零線が通る形です。虚零線とb1線の交点をp1とします。極座標を右か左に回転させると、左右どちらかのリーマン零点とp1点が合体します。その点では虚零線同士が接触する形になりますが、実零線とは直交しているので、虚零線が横U字形の内部に入ることになり、出口がなくなるという矛盾が生じます。

実零線と直交しながら、横U字形の内部に入らないことは不可能なので、矛盾は解消できません。よって、このような矛盾を生じさせる(1,5,2)の形になることはありません。

これは(1,4,2)と同じ矛盾です。

(1,5,3)、(1,5,6)、(1,5,7)、(1,5,10)、(1,5,16)もこれと同じJ矛盾です。




■11の6■      事例(1,6,*)の分析


(1,6,1),(1,6,4),(1,6,5),(1,6,18)はDタイプ矛盾。

(1,6,2)は(1,4,2)と同じJタイプ矛盾。




■11の7■      事例(1,7,*)の分析



(1,7,1)、(1,7,4)、(1,7,5)、(1,7,18)、(1,8,1)、(1,8,4)(1,8,5)、(1,8,18)はDタイプ。


jir1_7_2 の図
事例(1,7,2)のふたつのリーマン零点を結ぶ線をb1線とします。b1線と虚零線の交点はふたつありますが、右側のをp1,左をp2とします。極座標でp1がどこに来るかはふたつの可能性があります。というのは、極座標線が(+,-)領域で右廻りになる可能性と、左廻りになる可能性を持っているからです。

まず、左廻りである可能性を検討します。こちらの方があり得る形です。なぜなら、第1,第2虚零線にはリーマン零点があり、p2の絶対値rは0から僅か大きい程度であると思われるのに対し、第3虚零線は無限大から降ってきたところで、これから0に向けて減少しているところだからです。





kyoku1_7_2b の図
とは言うものの、p2の絶対値が必ずp1よりも小さいとは証明できないので、両方検討することになります。ちなみに、極座標の (0.0)からの距離がその点での絶対値を表しています。

p2の絶対値がp1よりも小さいときは右図のようになります。この場合、図を左廻りに回転させると(軸は右廻りとなります)、p1点は右リーマン零点に近づきます。そして、この図では50度あたりで右リーマン零点と合体します。この時、第3虚零線と第4虚零線が接触します。交差することはありません。なぜなら、同種の零線は交差しないことがすでに証明できているからです。

さて、第4虚零線は実零線と直交しています。第4虚零線と接触している第3虚零線も実零線と直交することになります。すると、実零線に対して左から入ってきた第3虚零線は実零線の左側に抜けざるを得ません。ところが、左側に抜けると、そのあとの出口が無くなります。




kyoku1_7_2c の図
右廻りのときも論理は同じです。左廻りに回転させると、先の図とは線は異なりますが、実虚零線図は同じ変化で、右のリーマン零点に近づき、やがて合体します。この時、第4虚零線と第3虚零線は接することになりますが、接するとは同じ角度であることを意味しています。すると、実零線とは直交することになり、実零線の横U字形の中に入り込んでしまい、そこから抜けられなくなります。これは矛盾です。、

右廻りでも、左廻りでも矛盾が発生すると言うことは、(1,7,2)の事例があり得ないことを示しています。






jir1_7_3 の図
(1,7,3)は、リーマン零点の間に零線がないので、b1極座標を回転させてb1との交点を作ります。








kyoku1_7_3 の図
虚零線との交点は必ず出来るので、それをp1とします。さらに回転させるとp1点は左リーマン零点に近づき、a=0.5を超えると、(+,-)から(+,+)へ移行する場所が現われます。これは角度増加なので矛盾です。ゆえに、このような図になることはありません。

(1,7,16)も同じです。
















■11の8■      事例(1,8,*)の分析



jir1_8_2 の図
(1,8,2)は、極座標図を右回転させると、無限点が (1,0) でなくなるので、第4と第5の虚零線が繋がります。第3の繋がる相手はこの図の中にはありませんが、第1虚零線より下の虚零線が一本余っているので、それと繋がると考えられます。

さらに回転させるとp1とp2が近づき、やがてふたつの点はひとつになります。このとき、第1と第2の虚零線と第3虚零線が接触する形になります。交差しないことはすでに証明されています。

これをさらに回転させると、角度0軸との交点がなくなるので、虚零線の通過点がなくなり、第2と第3の虚零線が繋がり、第1とその前(下)にある虚零線が繋がることになります。




jir1_8_2b の図
その時の零線図は右図のようになっています。

さて、p1とp2が接触したときの接点の角度を考えます。縦線同士が接触するのですから、角度が零になることはありません。ところが、離れた後の図から戻って考えると、b1軸と離れる瞬間ですから、必ず角度0になっていなければなりません。

極限状況として、p1とp2が角度0で接触する形を無理矢理考えたとしても、B図のようになり、上下分離したときに先端が尖ってしまい、微分不可の点になります。これは矛盾です。

このような矛盾の起きる(1,8,2)の事例は起こり得ません。








jirei1_8_3 の図
(1,8,3)は、ふたつのリーマン零点の間を実零線が通っている形です。b1線と実零線の交点をp1とします。そして、このときの極座標図を右に回転させると、p1は左リーマン零点に近づきます。そして、やがて合体しますが、それがC図です。実零線同士は接触するだけで、交差しません。しかし、虚零線が直交しているので、実零線は虚零線の反対側に突き抜けます。しかし、そこから外に出ることが出来ず、矛盾となります。

(1,8,10)、(1,8,16)も同じ矛盾です。



















jirei1_8_6 の図
(1,8,6)、(1,8,7)は、(1,8,2)と同じJ矛盾。











■11の9■      事例(1,9,*)の分析




(1,9,1)、(1,9,4)、(1,9,5)、(1,9,18)はDタイプ。


jir1_9_2 の図
事例(1,9,2)は第1,第2横U字形の上側にそれぞれリーマン零点があり、第1,第2虚零線が繋がっています。

この場合、ふたつのリーマン零点の間にある虚零線との交点をp1,p2,p3とします。b1極座標図を右回転させると、無限点が零でなくなり、無限点近くに新しい交点が出来るので、第4と第5は繋がります。第3は、第1虚零線のひとつ前にある第0虚零線と繋がると考えられます。

さらに回転させると、p2とp3が近づき、やがて合体します。その点をp4とします。

p4では、虚零線同士が接触する形になっています。しかし、その直後、交点が消滅するので、虚零線の組み替えが起こり、第2と第3、第1と第0が繋がります。しかし、接触形から分離されるので、先端部分が尖った形になり、そこが特異点となります。しかし、k(s)には特異点は(1,0)、および、リーマン零点候補点以外にないので、矛盾となります。

ゆえに、(1,9,2)の作図が現われることがないことが証明されました。





jir1_9_3 の図
事例(1,9,3)は、極座標図を回転させてもDタイプの矛盾は発生しません。そこで別の矛盾を探すことになります。











kyoku1_9_3b の図
極座標は右図のようになっています。

リーマン零点の間にある実零線とb1線との交点をp1とします。極座標の角度を引くと図は右回転します。図としては座標軸を左回転させて考えます。新しい軸はシアン線で表示しています。すると、新しいp1点が出来ます。

このときの零線図は右図のようになります。p1点はかなり左リーマン零点に近づきます。このまま回転を続けると、まもなくp1点は左リーマン零点と合体します。この時、左リーマン零点を通る実零線第1横U字形とp1点を通る実零線は接線の角度が同じなので、接触する形になります。そして、リーマン零点を通る虚零線と直交します。すると、実零線が虚零線の横U字形の内部に入ることになり、そこから出ることが出来ず、繋がる相手を失います。これは矛盾と認定できます。

ゆえに、このような矛盾の生じる(1,9,3)の図になることはあり得ないことが証明できました。




jir1_9_6 の図
(1,9,6)は (∞,b1) の無限点と右リーマン零点の間に虚零線が1本走っています。それとb1線との交点をp1とします。

さて、極座標図を右に回転させると、新たに角度0軸との交点がひとつ発生します。それをp2としておきます。p1はp3に移動します。




kyoku1_9_6c の図
回転後の無限点はもはや(1,0)ではなくなるので、零線は通りません。ゆえに、p2を通る虚零線は無限点には繋がらず、どこか別の虚零線と繋がるはずです。無限点からp2までは(+,-)の領域で、p2からp3が(+,+)となっています。また、p2は無限点から始まっているので、第5虚零線と繋がっていることになります。あとの零線の繋がり方は、回転前と同じです。

問題は、この第5虚零線が無限点でないとすると、どこと繋がるかです。第1から第4まではすでに繋がっているので、第5と繋がることはできません。第5の次にある第6虚零線とは、極座標図に角度0軸との交点がないので、繋がることは出来ません。唯一残っているのは、第1の前にある虚零線です。これを第0虚零線と名付けておきます。第0と第5が繋がり、入れ子状態の零線図が出来上がります。

これをさらに回転させると、次第にp2とp3は近づき、ついにはp4で合体します。

このときの零線図がB図です。この図の直前では第3と第4の虚零線が繋がり、第5と第0が繋がっています。B図でふたつの虚零線が接触します。そして、B図のあとは交点が無くなるので、第3と第0虚零線が繋がり、第4と第5が繋がることになります。

このふたつの虚零線が接触した図から別の組み合わせのふたつが離れた瞬間、虚零線はどちらも尖った形になり、その尖った点は傾きが無くなり、特異点となります。しかし、k(s)には(1,0)を除いて特異点はないので、矛盾となります。






jir1_9_7 の図
事例(1,9,7)の場合は、ふたつのリーマン零点の間にある虚零線とb1との交点をp1,p2,p3とします。

b1極座標を回転させると無限点虚部が零でなくなるので虚零線は無限点に繋がることが出来なくなります。この図の中には第3虚零線の繋がる相手はありませんが、第1の前にある虚零線が空いているので、そこと繋がると考えられます。これを第0虚零線と名付けておきます。

極座標図をさらに回転させると、p2とp3が近づき、やがてp4の点で合体します。

このp4では、虚零線が接触する形になります。しかし、その直後、交点が消滅し、虚零線の組み替えが発生します。第2と第3が繋がり、第1と第0が繋がります。この分離のとき、接触形が分断されるので、虚零線が尖った形になり、その点に至る傾きが右と左で異なる特異点となります。しかし、k(s)には特異点がないので、このような尖った形になることはなく、あり得ない形が現われると言うことは矛盾と認定できます。ゆえに、(1,9,7)の図になることはありません。






jir1_9_10b の図
事例(1,9、10)は、無限点と右リーマン零点の間にある虚零線に注目します。その交点をp1とします。b1極座標図を回転させると、新たな交点p2が発生します。p1はp3に移動します。p2は無限点に繋がらないので、第1虚零線の前の第0虚零線と繋がると考えられます。

さらに回転させると、p2とp3が近づき、ついにはp4で合体します。このとき、虚零線同士が接触する形になります。

p4の直後には交点がなくなり、虚零線はb1線を通過しなくなるので、虚零線の組み替えが起きていることが判ります。つまり、第1と第0、第4と第5が繋がります。しかし、繋がるとしても滑らかに繋がることは出来ず、先端部分を持つ尖った形になります。この先端は滑らかでないので、傾きを特定することが出来ず、特異点となります。しかし、k(s)には(1,0)を除いて特異点はないので、矛盾となります。




jir1_9_16 の図
事例(1,9,16)はふたつのリーマン零点の間になる実零線との交点に注目します。極座標図を右に回転させると、p1は左のリーマン零点に近づき、やがて合体します。このとき、実零線同士は接触ですが、虚零線と直交することになり、実零線の一部は虚零線の内部に入ることになります。しかし、そこは虚零線に囲まれているので、繋がる相手の実零線はなく、宙に浮いてしまいます。このような矛盾の起きる(1,9,16)の図が実際に現われることはありません。
















■11の10■      事例(2,1,*)、(2,2,*)、(2,3,*)の分析


事例(2,*、*)で、虚零線の場合分け、1,2,5,7,8,9,11,12,13,14,15,17は共通してAタイプ、Bタイプの矛盾があり、作図できません。これらは初めから検討対象から除外しておきます。


jir2_1_3 の図
AタイプとBタイプの矛盾が起きる事例を省いて、残りを説明します。

事例(2,1,*)はすべて、a=0.5上で、(-,+)から(-,-)、もしくは、(+,-)から(+,+)へ、(+,+)から(-,+)へ移るところがあるので、Dタイプの矛盾が生じます。






jir2_1_6 の図
(2,1,6)は (+,+)から(-,+)への角度増加が起きています。









jir2_2_3 の図
事例(2,2,3)は、(+,-)から(+,+)への角度増加が起きています。










■11の11■      事例(2,4,*)の分析

(2,4,4)、(2,4,6)、(2,4,18)も、Dタイプの矛盾です。



jir2_4_3 の図
事例(2,4,3)はふたつのリーマン零点の間に実零線が通っています。b1線と実零線の交点をp1とします。k(s)を回転させると、p1が動きますが、右リーマン零点と合体の方向にずらすことは可能です。そして、やがて右リーマン零点と合体することになりますが、その手前で必ず a=0.5 の線を越えることになります。超えると、a=0.5 の線が (-,-)から(+,-)に移行することになり、ここで角度増加が生じるという矛盾になります。



(2,4,10)、(2,4,16)も同じです。







■11の12■      事例(2,5,*)の分析



jir2_5_3 の図
事例(2,5,3)はふたつのリーマン零点の間に実零線も虚零線もありません。しかし、角度をマイナスすると極座標図が右回転して、左リーマン零点の左側の虚零線が右側に移ります。








kyoku2_5_3c の図
b1横線との交点をp1、p2,p3とすると、p2点がリーマン零点の間に来ます。右回転を続けると、まもなくa=0.5軸を超えることになります。ここで、(-,-),(-,+),(-,-)という角度増加が発生するので、矛盾となります。

このような矛盾のある事例(2,5,3)は起こり得ません。

(2,5,10)、(2,5,16)も同じです。













jir2_5_4 の図
事例(2,5,4)は、ふたつのリーマン零点の間に虚零線との交点p1,p2があります。極座標図を左回転させると、無限点が虚部零でなくなるので、第2虚零線は第1虚零線と繋がります。さらに回転させると、p1とp2が近づき、やがて合体します。ここで、虚零線の接触が起きます。その直後、交点が消滅するので、虚零線の組み替えが起こり、第2と第3、第4と第1が繋がります。これは同じ角度で接触している線分の分離になるので、分離された後の曲線には必ず尖った先端が出来ます。しかし、k(s)は(1,0)とリーマン零点候補以外は特異点はないので、この場所で尖った線分が発生することは矛盾です。ゆえに、(2,5,4)の作図は実際には現われないことが証明されました。

(2,5,6)、(1,5,18)も同じです。








■11の13■      事例(2,6,*)の分析




jir2_6_3 の図
事例(2,6,3)は、ふたつのリーマン零点の間に1本の虚零線があります。b1極座標を描いて、それを回転させると、b1と虚零線の交点p1は右にずれて必ずa=0.5を超えます。ここに角度増加が起こり、矛盾が発生します。

(2,6,10)、(2,6,16)も同じです。





jir2_6_4 の図
(2,6,4)の極座標図は(2,6,3)と同じです。しかし、繋がり方が異なるので、矛盾のあり方も異なります。

(2,6,4)の矛盾は角度を増やす、つまり、極座標図を左回転、軸で考えるなら、軸を右回転させると現われます。





kyoku2_6_4b の図
回転させると、b1と虚零線の交点p1が左にずれて、左リーマン零点に近づきます。そのまま回転させると、ついにはひとつになるのですが、すでに証明済みのように虚零線同士は、交差することは出来ないので、接することになります。また、実零線・虚零線の性質からして、必ず直交しなければなりません。これらの条件のもとで実虚零線図を描こうとしても、描くことは出来ません。

p1と左リーマン零点がひとつになったとき、虚零線が接する形を描くことが出来ないと言うこと、および、もし、無理矢理接する形にすると、その虚零線が実零線を超えて第2横U字形の内部に入り込んでしまい、そこから出ることが出来なくなります。

このような矛盾が生じるので、左リーマン零点とp1点がひとつになることは出来ず、それがありうるとする(2,6,4)の事例は矛盾を持っているので、実際にそのような事例が現われることはありません。

(2,6,6)、(2,6,18)も同じです。




■11の14■      事例(2,7,*)の分析


jir2_7_3 の図
事例(2,7,3)は、リーマン零点の間に実零線と虚零線が通っています。












kyoku2_7_3c の図
b1極座標図は右のようになります。

これを左回転させると、軸は右回転となり、(+,+)の部分が右にずれます。するとpi/2軸との交点であったp2は右リーマン零点に近づき、やがてa=0.5軸を超えます。このときの零線図内にあるp5において (-,+)から(-,-)への移動が生じ、角度増加が起こります。これは矛盾です。

このような矛盾が起きる(2,7,3)は起こり得ません。


(2,7,10)と(2,7,16)は、(2,7,3)と同じJ矛盾です。










jir2_7_4 の図
(2,7,4)は、a=0.5上に角度増加が起きているので矛盾です。(2,7,6)、(2,7,18)も同じD矛盾です。










■11の15■      事例(2,8,*)の分析


jir2_8_3 の図
事例(2,8,3)のb1極座標図を右回転させると、軸は左回転し、p2点は左リーマン零点の方向に移動します。さらに回転させると、ますます左に寄り、最後には左リーマン零点と合体します。ことのき、左リーマン零点にはすでに第2、第3虚零線が通っているので、それと接触します。しかし、実零線もあり、この実零線とは直交するので、虚零線は実零線の横U字形の中に入ってしまい、繋がる相手を失うという矛盾が起きます。

このような矛盾の起きる(2,8,3)の事例は実際に起きることはありません。

(2,8,10)、(2,8,16)は(2,8,3)と同じです。








jir2_8_4 の図
事例(2,8,4)は、極座標図は(2,8,3)と同じですが、虚零線の繋がり方が逆になります。この場合、p2は第3・第4虚零線の通り道となります。ゆえに、極座標を左に回転させて、右リーマン零点に近づけます。すると、途中で必ずa=0.5軸を超えるので、そこで角度増加という矛盾が生じます。

(2,8,6)、(2,8,18)も同じです。







■11の16■      事例(2,9,*)の分析


jir2_9_3 の図
事例(2,9,3)はJタイプ。ふたつのリーマン零点の間に虚零線との交点p2,p3があります。軸をL1まで傾けるとp2とp3が近づきます。さらに傾けるとp2とp3が交わるところが現われます。その点をp4と名付けておきます。ふたつの虚零線が交差しないことはすでに証明されています。結果的に、p4では接触することになります。

p4では、2本の虚零線は同じ傾きです。直後にこれが上下に分割されるので、新しくできた虚零線には先端があり、そこが尖っていることになります。尖ると言うことは、その傾きがふたつあることを意味しています。しかし、k(s)では、(1,0)と仮定上のリーマン零点を除いてすべて微分可能なので、尖った虚零線が生じることは矛盾と認定できます。

ゆえに、(2,9,3)の形が現われることはありません。



jir2_9_4 の図
(2,9,4)はリーマン零点の間に実虚零線が通っていませんが、b1極座標図を傾けると交点が現われます。








kyoku2_9_4d の図
b1極座標図を左回転させると、軸は右回転となります。すると、リーマン零点の間に虚零線との交点p1が発生します。さらに回転させると、この交点は左のリーマン零点に近づき、やがて合体します。この時、左リーマン零点を通る虚零線と交差することは出来ないので、接触する形になります。実零線とは直交するので、実零線横U字形内に虚零線が入り込みます。しかし、そこには繋がる相手がないので、矛盾が生じます。ゆえに、(2,9,4)の作図は起こり得ないことが証明されました。

(2,9,6)、(2,9,18)は(2,9,4)と同じです。



jir2_9_10 の図
事例(2,9,10)は、極座標を回転させたとき、別の種類の矛盾を指摘できます。












kyoku2_9_10 の図
極座標図を右回転させると、ふたつのリーマン零点の間にある虚零点が近づき、やがて合体します。この時、ふたつの虚零線はこの点で接触する形になります。さらに回転させると交点が消滅して、虚零線同士の組み替えが起きます。このとき、新しく出来た虚零線に尖った先端が出来るので矛盾となります。

ゆえに、事例(2,9,10)になることはありません。

(2,9,16)も同じ矛盾です。

(2,9,18)は(2,9,4)と同じです。




以上により、すべての事例を検討し、すべての事例に於いて矛盾が発見されたので、リーマン零点が横に並ぶことはなく、すべてのリーマン零点がa=0.5上にあることが証明されました。










ver20

証明の第1部

証明の第2部、第3部

証明の第4部

証明の第5部

証明の第6部

証明の第7部、第8部

以下、ver29

証明の第9部、第10部

証明の第11部


■     ver29 履歴





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