リーマン仮説(リーマン予想)の証明   ver35.2





第11部 (まとめ)    事例分析




■11の1■      事例(1,1,1)以降を分析


(1,*、*)の場合、虚零線分類番号8,9,11,12,13,14,15,17については、作図の段階でCタイプ(虚零線の交差)があり、これらの交差事例は、別の事例分析と重なるので、そちらに任せることにします。


jir1_2_8 の図
たとえば、(1,2,8)は、第1・第3虚零線と、第2・第4虚零線が交わっています。このk(s)を極座標回転させると、(1,2,6)か、(1,2,10)になります。ですから、この事例に矛盾があるかどうかは、(1,2,6)か(1,2,10)で検討することと同じことなのです。

以下、交差の場合は同じ論理なので、すべて省くことにしてあります。


また、図の中で、ふたつのリーマン零点を通る横線があります。これをb1線と名付けておきます。b=b1のときにリーマン零点がふたつ発生しているということです。








jir1_1_1 の図
事例(1,1,1)は、実零線・第1横U字形の下側と第2横U字形の下側にリーマン零点があります。右図の中に a=0.5 の縦線がありますが、この線上を動く極座標を描きます。すると、この中に、(+,-)領域から(+,+)領域に変化する箇所が見つかります。







kyoku76 の図
p1 から p2 までの角度は減少です。ところが、p2から先は増加に転じます。つまり、角度が増加しています。ところが、a=0.5上の角度は必ず減少することが証明されているので、角度増加は矛盾と認定できます。(D矛盾)ゆえに、この事例は起こり得ないことが証明されました。










jir1_1_2 の図
事例(1,1,2)はJ2タイプの矛盾です。ふたつのリーマン零点がある横線をb1とし、その線上の極座標図を描いてみます。リーマン零点とは (0,0) を通過することなので、ふたつのリーマン零点とは、(0,0) を2回通過することを意味します。すると、そこに輪が発生します。その輪の中に角度pi/2軸との交点があります。それがp1点です。



kyoku1_1_2 の図
このp1点が極座標の回転と共にどのように動くかを見てみます。

k(s)に角度を加えると極座標図は左に回転します。すると、xy座標のp1は右にずれます。そのまま続けて45度以上回転させると、どこかでp1がa=0.5軸を超えることになります。






jir1_1_2b の図
そのときの実虚零線図は右図のようになっています。この時、a=0.5上の縦の極座標は(+,+)から(-,+)へ移行することになります。しかし、(-,+)への移行は角度増加を意味します。a=0.5の角度は常に減少であることはすでに証明されています。ですから、角度増加が起きることは矛盾と認定できます。

よって、このような矛盾の起きる実虚零線図はあり得ないことになり、このような矛盾を起こす事例(1,1,2)は起こり得ないことが証明されました。






jir1_1_3 の図
(1,1,3)は、ふたつのリーマン零点の間を実零線と虚零線が通っています。実零線との交点をp1,虚零線との交点をp2とします。極座標図を左に回転させるとp1,p2とも右のリーマン零点に近づきます。そして、必ずa=0.5軸を超えることになります。

p2が超えるときは (+,-)領域から(+,+)領域へと移動するところが現われ、角度増加が起こります。p1が超えるときは (+,+)から(-,+)への移動となります。これも角度増加です。このような角度増加が起きることは矛盾と認定できます。

よって、事例(1,1,3)のような作図はあり得ないことが証明できました。






jir1_1_4 の図
(1,1,4)は、零線図の中に最初から角度増加の場所があります。a=0.5上の角度は(+,-)から(+,+)に移るとは角度増加を意味しています。ですから、Dタイプの矛盾となります。

(1,1,5)、(1,1,18)も同じです。










jir1_1_6 の図
事例(1,1,6)は、第1横U字形の下、第2横U字形の下にリーマン零点があり、虚零線は第1と第2、第3と第4が繋がっている場合です。このとき、実零線とb1との交点をp1と名付けます。(1,1,2)と同じように、極座標を左回転させ、p1を右にずらしてa=0.5を超えるところまで持っていきます。すると、ここに角度増加(J2矛盾)が起こります。これは矛盾なので、(1,1,6)のような作図は起こり得ません。

(1,1,7)も同じです。



jir1_1_10 の図
事例(1,1,10)は、(+,-)から(+,+)へ移行する場所があるので矛盾です。

別の作図をすると、この矛盾を避けることはできますが、リーマン零点の間に虚零線が通っているので、b1極座標図を回転させると、(+,-)から(+,+)への移行部分が現われ、結局、角度増加が起こります。ゆえに、この図そのものが矛盾を持つと認定できます。

(1,1,16)も同じです。






■11の2■      事例(1,2,*)の分析


jirei1_2_1 の図
(1,2,1)は、実零線第1横U字形の下側、第2横U字形の中央にリーマン零点があり、虚零線はすべて横一本線の場合です。この場合、最初から a=0.5の線上に (+,-) から (+,+) に移動する場所があるので、角度増加が起きています。Dタイプの矛盾です。











jirei1_2_2 の図
(1,2,2)はJ2タイプ矛盾です。b1極座標を回転させると、実零線上のp1点がa=0.5の右に来るので、そこで角度増加が起こります。(1,2,3)、(1,2,4)、(1,2,6)、(1,2,7)も同じです。









jir1_2_10c の図
事例(1,2,10)は、第1、第4虚零線が繋がり、第2,第3虚零線が繋がっている場合です。このとき、a=0.5上で角度増加が起きているので、D矛盾となります。

作図の仕方によっては、矛盾が起きない図を描けますが、極座標を回転させると、必ず角度増加が起きるので、このような矛盾を起こす(1,2,10)は実際に現われることはありません。

(1,2,16)、(1,2,18)も同じです。





■11の3■      事例(1,3,*)の分析


jirei1_3_1 の図
(1,3,1)、(1,3,5)、(1,3,18)はDタイプの矛盾です。a=0.5の線上で角度増加が起きています。











jir1_3_2 の図
(1,3,2)は実零線第1横U字形の下側、第2横U字形の上側にリーマン零点があり、虚零線第1と第2が繋がっている形です。この場合、第1横U字形の実零線と、リーマン零点を結ぶb1線との交点をp1とします。

極座標図を左回転させると、p1点は右リーマン零点の方向に移動します。やがて、a=0.5線を越えることになりますが、このとき、(+,+)から(-,+)への角度増加が起こります。

a=0.5線を越えないような作図は出来ないので、角度増加は必ず起きますが、これは矛盾なので、このような矛盾の起きる(1,3,2)の形そのものが起こり得ないことを示しています。



(1,3,3)、(1,3,6)、(1,3,7)、(1,3,16)も同じJ2タイプ矛盾です。。



jir1_3_4 の図
(1,3,4)は、a=0.5 において、(+,-)から(+,+)への移動があり、角度増加の矛盾となります。

(1,3,5)、(1,3,18)も同じです。








jir1_3_10b の図
(1,3,10)は、b1線と第2・第3虚零線の交点をp1とし、b1極座標を回転させると、p1は右リーマン零点方向へ移動します。このとき、必ずa=0.5 を超えるので、ここで、(+,-)から(+,+)への移動が発生し、角度増加の矛盾となります。











■11の4■      事例(1,4,*)の分析


(1,4,1)はDタイプ矛盾で、a=0.5線上に角度増加が見られます。(1,4,4)、(1,4,5)、(1,4,18)も同じです。



jir1_4_2 の図
事例(1,4,2)は第1横U字形の中央と、第2横U字形の下側にリーマン零点があり、第1,第2虚零線が繋がっている場合です。このときのb1極座標を回転させても、虚零線については角度増加を示すことが出来ません。そこで、hk_m(s)を使って矛盾をあぶり出します。

hk_m(s)は、K矛盾で説明してある関数で、hk_m(s)=k(s)/k(s-m)と定義されています。k(s)が含まれているので、もし、リーマン零点がa=0.5上にないなら、hk_m(s)にも同じ現象が現われます。


hk1_4_2 の図
そこでまず、mが極小のときの図を確認します。極小でも、k(s-m)で割っているので、リーマン零点のところが特異点となります。そして、実零線と虚零線の交点がhk_m(s)の実零線の通り道になります。その点を緑で示しておきます。

自らをずらしただけなので、交点の数はあまり多くありません。また、k(s)とk(s-m)で区切られた区域をhk_m(s)の実零線が通るか、虚零線が通るかは、(+,-)/(-,-)などと計算してみれば判ります。つまり、どちらが通るかは、区域ごとに確定していて、自由に選ぶことは出来ません。この図の場合、リーマン零点と特異点、緑点がふたつで、実零線の輪が出来上がり、全体で輪がふたつになりますが、この図の中に矛盾はありません。

mを増加させると、交点は右にずれ、やがて消滅します。そして、新しい交点があちこちに発生します。これらの交点を繋げて輪を作ることは容易ではありません。しかし、そのことを指摘するにはあまりに可能性が多すぎて、すべての可能性を検討することは非常に困難です。

そこで、もっとも矛盾を指摘しやすく、また、あらゆる事例で発生するパターンに限って検討することにします。なぜなら、mを固定したとき、その事例でのすべての可能性を検討しても矛盾が残れば、その事例全体で矛盾を認定できるからです。

そして、もっとも矛盾を指摘しやすいmとは、リーマン零点と隣のリーマン零点が重なるときです。mを増加させると、図は右にずれますが、隣の零点と重なるときはどの事例でも必ずおとづれます。このとき、その点は 0/0 となるので、零点にも特異点にもなりません。ゆえに、この点をhk_m(s)の実零線・虚零線が通ることはありません。すると、その直前までは、この点を通って他の点と繋がっていたのですから、矛盾の発生が期待されます。


hk1_4_2c の図
(1,4,2)の場合は右図のようになります。古い零点は小さい黒点で示してあります。ここをhkの実零線(緑線)が通ることは出来ません。通ることが出来るのは緑点です。これらの点をすべて通って輪になることが出来るかどうかと言う問題です。いろいろ検討してみると、この事例の場合、p1とp2を結ぶことは出来ず、実零線の繋がる相手を失います。これは矛盾と認定できます。すると、このような矛盾の起きる事例が実際に出現することがないことの証明となります。K1矛盾です。







jir1_4_3 の図
事例(1,4,3)は、第2,第3虚零線が繋がっているので、b1極座標を回転させると、虚零線とb1との交点がa=0.5を超える場合が発生し、角度増加が起こります。これは矛盾と認定できます。






jir1_4_6 の図
(1,4,6)は、第1横U字形の中央と第2横U字形の下側に零点があり、虚零線の第1と第2、第3と第4が繋がっている場合です。右図はその一例で、議論すべき対象は、この事例図だけでなく、すべての(1,4,6)で矛盾が生じることを証明しなければなりません。ですから、横U字形の傾きがあるものとか、零点の場所が右にずれる場合とか、可能性はほぼ無限ですから、有限の枠に収まるように考えなければなりません。


hk1_4_6g の図
そこで、(1,4,6)のずべての事例図で起きる形を使って矛盾を証明することにします。hk_m(s)のmを増やしてゆくと、左リーマン零点が右リーマン零点に重なるところが現われます。その直前の図を考えると、どのような事例図であれ、(1,4,6)であるかぎり実零線同士の交点(桃)がひとつ、虚零線同士の交点(桃)がひとつ、あとは零点と特異点、合計4つの交点が発生しています。これらの交点を含む実零線・虚零線が作る区域をhk_m(s)の実零線(緑)・虚零線(桃)が通ることになりますが、ひとつの区域には緑線か、桃線のどちらかしか通ることが出来ず、ふたつの線が混在することはありません。また、どちらが通りうるかはk(s)/k(s-m)の計算から決定されるので、通り道についての可能性はあまり多くありません。ですから、直前図における緑線、桃線の形は右図のようになるか、または、その修正版以外にはありません。

この図の4つの交点で囲まれた区域は (+,-) / (+,+) = (?,-) となるので、必ず緑線が通ります。


hk1_4_6h の図
さて、mをさらに増やすと、零点と特異点が近づいてついに合体します。そのとき、その場所では 0/0 が実行されるので、零点や特異点ではなくなり、普通の数(旧零点)になります。ところが、その直前までそこは実零線(緑線)が通っていた場所で、合体するまではそこを通っていたのですが、合体した途端、その瞬間にその点を通ることが出来なくなります。そして、たとえ通ることが出来ないとしても実零線は旧零点のそばに存在しなければなりません。なぜなら、零線図は連続して変化するもので、飛躍が発生するとそれは矛盾となるからです。

そして、旧零点のそばにある実零線は、旧零点に替わり、別の繋がる先を探さなければなりません。しかし、直前の実零線が、別の区域から零点に近づき、反対側の区域に抜ける形になっているので、繋がる相手を見つけることが出来ず、途切れてしまいます。これは矛盾として認定できます。

この矛盾がこの事例図では必ず起きるのですから、この事例が実際に存在することがないことが証明できました。




hk1_4_7 の図
(1,4,7)は零点を重ねたときの図に矛盾が生じています。hk_m(s)の図でmを増やしてゆくと、必ず左零点がもうひとつの零点と重なります。

零点が重なるところでは 0/0 が実行されるので、0にはなりません。ゆえにここを実零線も虚零線も通ることはできません。ところが旧零点の左右には緑点があり、実零線が通っています。旧零点を通れないので、右と左の実零線の繋がる相手がありません。こういう矛盾はあってはならないので、(1,4,7)の図になることはありません。これはK1矛盾です。




(1,4,10)、(1,4,16)は(1,4,3)と同じ矛盾。

(1,4,18)はD矛盾。a=0.5上に角度増加が起きています。





■11の5■      事例(1,5,*)の分析


(1,5,1)、(1,5,4)、(1,5,5)、(1,5,18)はD矛盾。



hk1_5_2j の図
(1,5,2)は、リーマン零点の間を虚零線が通る形です。hk_m(s)の図を描くと、mが極小のとき、矛盾はありません。そこにはふたつの実零線の輪がありますが、それぞれの輪を通る虚零線は互いに独立であり、繋がりません。

mを増加させると実零線も虚零線も幅が広くなりますが、ふたつの虚零線がまだ独立を保っているのがA図です。さらにmを増加させると、真ん中のふたつの黒点を虚零線が通るようになります。それがB図です。

A図からB図への移行は連続でなければなりません。すると、A図とB図の間のどこかでふたつの独立した虚零線が接触するタイミングが必要になります。その時の想定図がC図です。このときのbについての微分零線の形を検討します。bについての微分零線は虚零線の上下の先端を通過し、実零線の左右の先端を通過します。それ以外にも特異点と、ふたつの虚零線の接点を通過します。このとき、中央の区域には3本の微分零線が入ってきます。これは互いに繋げることが出来ないので矛盾となります。

このような矛盾が生じる(1,5,2)は実際に起こり得ません。



(1,5,3)、(1,5,6)、(1,5,7)、(1,5,16)もこれと同じK3矛盾です。




hk1_5_10 の図
(1,5,10)は、虚零線が入れ子になっているので、特別に取り上げて証明しておきます。

mが極小のときは矛盾はありません。ただ、虚零線が一本になっているところが他の事例と異なるところです。虚零線が一本であれば、矛盾が発生しやすくなります。

mを増加させると実零線(緑)の輪が大きくなります。そして、やがて、隣の輪と合体しますが、その合体の瞬間、ふたつの輪が接触する形になります。それがC図です。

このとき、aについての微分零線は実零線(緑)の上下の先端、虚零線の左右の先端を通ります。また、特異点とふたつの輪の接点を通ります。これらの点をすべて繋げれば良いのですが、中央の区域に3本の微分零線が入り込みます。線分は偶数なら繋ぐことが出来ますが、奇数だとひとつ余ってしまいます。これは矛盾と認定できます。

このような矛盾のある事例(1,5,10)が実際に起きることはありません。






■11の6■      事例(1,6,*)の分析


(1,6,1),(1,6,4),(1,6,5),(1,6,18)はDタイプ矛盾。

(1,6,2)は(1,4,2)と同じK1矛盾。

(1,6,3)、(1,6,10)はJ2矛盾です。


jir1_6_6 の図
(1,6,6)は、角度増加もなく、また、そのままではK矛盾も生じないので、極座標回転させて、図を少し変形させます。この変形させた図に矛盾が生じるなら、変形させる前の図にも矛盾があることになり、起こり得ないことの証明となります。

極座標図を右回転させると、p1点が左にずれます。そのままゆくと左リーマン零点と合体する矛盾になりますが、すべての可能性の中のひとつでも矛盾がないと証明は失敗となるので、もっとも矛盾のない図でも矛盾があることを示さなければなりません。それで、この極座標を変更して歪みを作り、矛盾が発生しない図で検討を続けます。

水色線の歪みがあると、虚零線の組み替えが起きて、左リーマン零点と合体しなくなります。すると、零線図にも変更が起こり、第1と第4虚零線が繋がり、第2と第3が繋がります。実零線の形も変わりますが、横U字形であることは同じなので、実零線の形は無視して、新しい零線図を描きます。それがC図です。








hk1_6_6d の図
C図を元にhk_m(s)の図を作ります。右にずらすと、実零線の輪がふたつ出来ます。このとき、虚零線がひとつに繋がっているところが重要です。さらにずらすと、実零線が大きな輪になりますが、その直前に、ふたつの輪が接触するタイミングがあります。その時の図は右図のようになります。

aについての微分零線の通り道を橙点で示します。実零線の上下の先端、虚零線の左右の先端を通ります。また、特異点とふたつの輪の交点を通ります。これらの点を繋げてみると、中央の区域に入る微分零線が5本になります。偶数の線を繋ぐことは出来ますが、奇数はできないので矛盾となります。

このような矛盾を起こす事例(1,6,6)は実際には現われないことが証明されました。


(1,6,7)も同じです。







■11の7■      事例(1,7,*)の分析



(1,7,1)、(1,7,4)、(1,7,5)、(1,7,18)、(1,8,1)、(1,8,4)(1,8,5)、(1,8,18)はD矛盾。


hk1_7_2h の図
事例(1,7,2)はK1矛盾になります。hk_m(s)図を描きます。mが極小のときは矛盾はありません。また、A図のように零点が重なる手前の図にも、たくさんの交点があって、それらが繋がらないところもありますが、図の外側で別の交点があるかもしれないので、矛盾と断定できる問題点は見つかりません。

B図は、零点が重なって零点でなくなったときの図ですが、A図からB図への連続した移行を考えると矛盾点が出てきます。A図の零点上にある実零線が小さくなってB図に移行することは可能かもしれないので、矛盾というわけにはいきません。しかし、虚零線の動きは、明らかに飛躍があります。A図では零点と特異点を通り、上に延びていますが、B図では旧零点を通過できないので、虚零線の繋がる先が無くなっています。これは矛盾と認定できます。




jir1_7_3 の図
(1,7,3)は、リーマン零点の間に零線がないので、b1極座標を回転させてb1との交点を作ります。








kyoku1_7_3 の図
虚零線との交点は必ず出来るので、それをp1とします。さらに回転させるとp1点は左リーマン零点に近づき、a=0.5を超えると、(+,-)から(+,+)へ移行する場所が現われます。これは角度増加なので矛盾です。ゆえに、このような図になることはありません。

(1,7,16)も同じです。
















■11の8■      事例(1,8,*)の分析



hk1_8_2d の図
(1,8,2)は、左リーマン零点が次の零点と重なる直前がA図です。このときは、実零線が零点(特異点)を通って繋がっています。B図は零点が重なったときの図ですが、ここでは、旧零点を通ることが出来ないので、おそらく、上方の緑点を通って繋がるのでしょう。交点はあちこちに出来るので、繋がらないと断定することはできません。

しかし、実零線の連続性は壊れています。A図からB図への移行は連続でなければなりません。

C図はA図の拡大図です。虚零線の場合は、零点がなくなる瞬間に同じ区域内にある別の虚零線に繋がることが出来ます。しかし、実零線は、零点からの出口が別の区域なので、零点が無くなると直接繋がることが出来ません。ですから、B図のように別の場所で繋がるのですが、別の場所に瞬間移動するということが飛躍となり、連続性を壊すK2矛盾として認定されることになります。

矛盾があるということは、この(1,8,2)の図になることはないということです。





hk1_8_3b の図
(1,8,3)は、リーマン零点が重なる直前の図では実零線が横に通っています。しかし、重なった図では、旧零点を通れないので、実零線が繋がらなくなっています。図の外に交点が有る可能性があるので、繋がらないと断定できませんが、少なくとも、ここで実零線の飛躍が起きていることは間違いありません。飛躍とは連続性が壊れる現象なのでK2矛盾と認定できます。








(1,8,6)、(1,8,7)、(1,8,10)、(1,8,16)も同じ矛盾です。





■11の9■      事例(1,9,*)の分析


(1,9,1)、(1,9,4)、(1,9,5)、(1,9,18)はD矛盾。


hk1_9_2d の図
事例(1,9,2)は第1,第2横U字形の上側にそれぞれリーマン零点があり、第1,第2虚零線が繋がっています。

hk_m(s)図を描くと、リーマン零点が重なる直前には多くの交点が発生しています。このうち、真ん中の特異点と零点の周りの交点に注目します。緑点は実零線が通るので、それぞれの点を結ぶと小さな輪が出来上がります。虚零線も同じように桃点を繋ぐとひとつの線になります。(図内には繋がらない点がありますが、繋がらないとそれ自体が矛盾となります。おそらく図外のどこかで繋がっていると理解しておいてください。)B図はその拡大図です。

特異点と零点が近づいてやがて合体するのですが、その周りの交点も合体します。その際、実零線は零点と一緒に消滅します。虚零線は入り口、出口が別々の区域にあるので、零点の消滅とともに、繋がる相手を失い矛盾となります。(K1矛盾)ゆえに、この図が実際に起きることがないことが証明されました。



(1,9,6)、(1,9,7)、(1,9,10)、(1,9,16)も同じです。




jir1_9_3 の図
(1,9,3)は普通のやり方では矛盾が生じないので、極座標図を回転させて別の図で検討することにします。

極座標図を右に回転させると、p1点が左にずれて、左リーマン零点と合体します。そうなると矛盾と判定できるので、そのような図になることはありません。合体しない可能性も残っています。極座標図に水色線のような歪みがあると、合体する前に実零線の組み替えが起きます。

ひとつの事例図の中では、すべての可能性を検討しなければならないので、実零線の組み替えが起きた場合でも矛盾が生じることを示さなければなりません。そこで、C図を用いて、hk_m(s)図を作ってみます。












hk1_9_3d の図
C図を僅かに右にずらすと、ふたつの実零線の輪(緑)が生まれます。このとき、虚零線(桃線)がひとつに繋がっているところが重要です。繋がっていないと矛盾を指摘できないからです。

この図をさらに右にずらすと、輪が大きくなって、やがて隣の輪と合体します。合体するためには、まずはふたつの輪が接触するタイミングがなければなりません。そのときの想定図が第3番目です。この図にaについての微分零線を橙点と橙線で書き込みます。微分零線は実零線の上下の先端、虚零線の左右の先端を通ります。また、特異点とふたつの輪の接点を通ります。それらの点をすべて矛盾無く繋ぐことができるかどうかという問題ですが、中央の区域に3本の微分零点が入り込んでいます。ひとつの区域に偶数の線があるなら、互いに結び合わせることが出来ますが、奇数だとひとつ余ってしまいます。ゆえに、3本というのは繋ぐことが出来ないので矛盾となります。

このような矛盾が発生するので、(1,9,3)の図が実際に現われることはありません。










■11の10■      事例(2,1,*)、(2,2,*)、(2,3,*)の分析


事例(2,*、*)で、虚零線の場合分け、1,2,5,7,8,9,11,12,13,14,15,17は共通してAタイプ、Bタイプの矛盾があり、作図できません。これらは初めから検討対象から除外しておきます。虚零線が交差する場合は、それぞれ、極座標回転させると、別の事例に変化します。矛盾の分析はその交差のない事例を前提に検討することになるので、事例分析からは省くことにします。


jir2_1_3 の図
事例(2,1,*)はすべて、a=0.5上で、(-,+)から(-,-)、もしくは、(+,-)から(+,+)へ、(+,+)から(-,+)へ移るところがあるので、Dタイプの矛盾が生じます。









jir2_2_3 の図
事例(2,2,3)は、(+,-)から(+,+)への角度増加が起きています。

(2,2,4)以下すべて、(2,3,*)もDタイプの矛盾です。








■11の11■      事例(2,4,*)の分析

(2,4,4)、(2,4,6)、(2,4,18)も、Dタイプの矛盾です。



jir2_4_3 の図
事例(2,4,3)はふたつのリーマン零点の間に実零線が通っています。b1線と実零線の交点をp1とします。k(s)を回転させると、p1が動いて、右方向に移動します。すると、やがて、a=0.5 の線を越えることになります。超えると、a=0.5 の線が (-,-)から(+,-)に移行することになり、ここで角度増加が生じるという矛盾になります。



(2,4,10)、(2,4,16)も同じです。







■11の12■      事例(2,5,*)の分析



hk2_5_3b の図
事例(2,5,3)はhk_m(s)を使います。k(s-m)を右にずらすと最初の実零線の輪がくずれて、新しい交点がたくさん生まれます。どこに出来るかは、作図の仕方によってあらゆる可能性がありますが、虚零線がリーマン零点と特異点を通過することだけは動かせません。

そこで、左リーマン零点が右リーマン零点と重なる直前の図を検討します。これがA図です。ここでは、mが極小の時から引き続いて、虚零線が横に流れて、特異点、そして、右のリーマン零点、それから右の特異点と繋がっています。虚零線がここを通らないことはあり得ませんし、別の場所を通ることもあり得ません。

さて、それを踏まえてB図を検討します。B図では零点が重なったので、零点ではなくなり、虚零線が通れなくなります。K1矛盾です。このような矛盾が起きるということは(2,5,3)の図になることがないことを証明しています。


(2,5,10)、(2,5,16)も同じです。





hk2_5_4e の図
事例(2,5,4)は、hk_m(s)図を作り、k(s)を右にずらし、左リーマン零点と次のリーマン零点が重なる直前の図(A図)を取り上げます。

実零線と虚零線の交点を緑点、実零線と実零線の交点を桃点とします。図上にはたくさんの緑点が発生し、どれとどれが繋がるかはいろいろ判断できますが、矛盾無く繋がるとすると、B図のような繋がり方になります。

mが増大して、零点同士が重なるとき、実零線は繋がったままですが、虚零線は旧零点に分断されて途切れてしまいます。これはK1矛盾となります。このような矛盾を起こすのですから、実際に(2,5,4)の図になることはありません。




(2,5,6)、(2,5,18)も同じです。





■11の13■      事例(2,6,*)の分析



jir2_6_3 の図
事例(2,6,3)は、ふたつのリーマン零点の間に1本の虚零線があります。b1極座標を描いて、それを回転させると、b1と虚零線の交点p1は右にずれて必ずa=0.5を超えます。ここに角度増加が起こり、矛盾が発生します。

(2,6,10)、(2,6,16)も同じです。





hk2_6_4b の図
(2,6,4)は、角度増加を指摘できないので、hk_m(s)図を描きます。左リーマン零点と次の零点が重なる直前の図では、実零線が真ん中の零点を通って、横に走っています。零点が重なったのがB図ですが、ここでは、旧零点を通れないので、p1から出た実零線の繋がる先が無くなるという矛盾が発生しています。p1は消滅する可能性もあり、その変わりに新しいp2が発生するかもしれませんが、その場合は、実零線の変化が連続でなくなるという矛盾になります。

どちらにしても、矛盾が発生するので(2,6,4)の図になることはありません。


(2,6,6)、(2,6,18)も同じです。




■11の14■      事例(2,7,*)の分析


jir2_7_3 の図
事例(2,7,3)は、リーマン零点の間に実零線と虚零線が通っています。








kyoku2_7_3c の図
b1極座標図は右のようになります。

これを左回転させると、軸は右回転となり、(+,+)の部分が右にずれます。するとpi/2軸との交点であったp2は右リーマン零点に近づき、やがてa=0.5軸を超えます。このときの零線図内にあるp5において (-,+)から(-,-)への移動が生じ、角度増加が起こります。これは矛盾です。

このような矛盾が起きる(2,7,3)は起こり得ません。


(2,7,10)と(2,7,16)は、(2,7,3)と同じJ2矛盾です。







jir2_7_4 の図
(2,7,4)は、a=0.5上に角度増加が起きているので矛盾です。(2,7,6)、(2,7,18)も同じD矛盾です。










■11の15■      事例(2,8,*)の分析


hk2_8_3d の図
事例(2,8,3)は角度増加を指摘できないので、hk_m(s)図を作成します。K1、K2矛盾はないので、K3矛盾を見つけることにします。

mが小さいときは実零線の輪がふたつできます。このときにhk_m(s)図に矛盾はありません。mが大きくなると、輪が拡大して必ず壊れる時を迎えます。このとき、矛盾無く壊れるためには、隣の輪と合体する必要があります。そして、合体するためには、その移行の最初として、隣の輪と接触するタイミングが必ず発生します。

A図は、まだ実零線がふたつあるときです。B図は融合途中の図です。


hk2_8_3e の図
次の図はふたつの輪が接触したときの実零線と虚零線の想定図です。緑が実零線、桃が虚零線です。このhk_m(s)の零線図にも微分零線が走っています。aを基準に微分した零線をオレンジ線で示めそうとしています。通るべき点は緑線の上下の頂点、桃線の左右の頂点、白抜き黒点(特異点)、もうひとつが実零線(緑線)の接点です。

この接点は■10の3■で説明しているように、微分零点となるので、ここをオレンジ線が通らなければなりません。

これらの点をすべて通り、断線や、繋がる相手を失ってはなりません。

ところが、図の真ん中の特異点(白抜き黒点)とリーマン零点が作る区域には、上側にある実零線の接点からのと、特異点からの2本で、合計3本の微分零線があります。この3本が互いに繋がることは不可能です。ゆえに、ここに矛盾が生じます。

このような矛盾が起きるので、(2,8,3)の事例が現われることはありません。



(2,8,10)、(2,8,16)も同じです。





jir2_8_4 の図
事例(2,8,4)では、第3・第4虚零線とb1との交点をp2とします。この事例の極座標図を左に回転させて、右リーマン零点に近づけます。すると、途中で必ずa=0.5軸を超えるので、そこで角度増加という矛盾が生じます。

(2,8,6)、(2,8,18)も同じです。







■11の16■      事例(2,9,*)の分析


hk2_9_3 の図
事例(2,9,3)は、hk_m(s)図で矛盾を見つけます。

虚零線が重なり図で連続性が壊れることを指摘できるのでは???

k(s)図を右に少しだけずらすと、実零線の輪がふたつ発生します。このときは、矛盾はありません。さらに右にずらすと、このふたつの輪が壊れるときがやってきます。壊れ方によっては矛盾が発生しますが、矛盾の発生しないことがないことを証明するためには、矛盾の無い形に注目する必要があります。もし、矛盾無く壊れるとすると、隣の輪と合体するしかありません。そして、合体するためには、最初に、隣の輪と接触するタイミングが必ず発生します。

hk2_9_3f の図
(2,9,3)の場合、左側の輪のほうが壊れるのが早く、それゆえ、大きな輪になり得ます。それが右側の輪と接触するのですが、その時の想定図を描いたのがC図です。この図の中にaについての微分零線を書き込みます。この微分零線は実零線の上下の先端と、虚零線の左右の先端を通ります。また、特異点とふたつの輪の接点とを通ります。

矛盾無く繋げることが出来ればよいのですが、特異点と零点と接点とで囲まれている真ん中の区域では、上からと特異点から2本の、合計3本の微分零点が入ってきます。3本という奇数の線をひとつの線として繋ぐことは出来ないので、これは矛盾と判断されます。

このような矛盾を起こす図はありえないので、この図の元になった(2,9,3)の事例そのものが成り立たないことを示しています。


(2,9,4)、(2,9,10)、(2,9,18)は同じです。




hk2_9_6 の図
(2,9,6)は、リーマン零点を重ねる直前までふたつの輪があると考えることが出来る構造になっています。もし、重なる前に大きなひとつの輪になるなら、(2,9,3)と同じになります。もし、ならないで、重なるときにふたつの輪が接するとすると、零点のところが 0/0 を実行することになり、虚零線が通れなくなってしまいます。これは矛盾です。ゆえに、このような事例は現われることはありません。





(2,9,16)は同じです。












以上により、すべての事例(2*9*18)を検討し、すべての事例に於いて矛盾が発見されたので、リーマン零点が横に並ぶことはなく、すべてのリーマン零点がa=0.5上にあることが証明されました。











ver20

証明の第1部

証明の第2部、第3部

証明の第4部

証明の第5部

証明の第6部

証明の第7部、第8部

以下、ver35

証明の第9部、第10部

証明の第11部


■     ver35 履歴

2013/02/23   11の9の事例(1,9,3)の図を正しいものに取り替えました。説明も少し修正しました。

2013/03/14   事例(1,5,10)を追加する。(1,6,6)、(1,9,3)の証明方法を変更する。K矛盾の説明や、その他、いくつかを変更しまので、ver35.2とします。






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